「病気になってからでは遅い」――。
難病を乗り越えた医師が、心臓と腎臓の連携で守る地域の未来。

寡黙な父の背中が教えてくれた、医師としての矜持

—— まずは、医師を志した原点についてお聞かせください。お父様の影響は大きかったのでしょうか?

そうですね。父(中西 としお医師)が東京女子医科大学の第一線で働く姿を見て育ちましたから、その影響が大きいですね。 そんな父の姿を見て、自然と「自分も同じ道を歩みたい」と思いました。

突然の暗転。医師として、患者として知った「限界」

私自身は父とは違う泌尿器科を専攻しました。
泌尿器科の奥深さに、強いやりがいを感じていました。しかし、そんな多忙な日々の中、私自身が「健康」の重要性を痛感する出来事があったのです。

—— —— それは、勤務医時代のことでしょうか?

はい。勤務医時代は、まさに怒涛の日々でした。連日の長時間に及ぶ手術、度重なる当直をこなしており、若さもあり「まだ大丈夫だ」と自分に言い聞かせていましたが、身体は悲鳴を上げていたのでしょう。
ある日突然、激しいめまい耳鳴りに襲われました。診断は「メニエール病」でした。
治療のためにステロイド治療を受けましたが、その副作用により不眠体重増加にも苦しみました。
病気を早く治そうと思う中で、何もできない自分。あの時の無力感は今でも忘れられません。「患者さんを救いたい」という一心で走ってきたはずが、自分自身の健康管理をおろそかにしていた。医師として、そして一人の人間として、大きな挫折を味わった瞬間でした。

「悪くなる前に、止める」—— 予防医学への使命感

—— そのご経験が、現在の診療方針に影響を与えているのですね。

間違いなく、私の医師人生の転換点になりました。幸いなことに、今のところ私は後遺症がなくすごしておりますが、いつ何時再発するか、怯えるように過ごしています。
病気になってから治すことの過酷さ、そして「病気になる前に食い止めること」がいかに幸福であるかを、身をもって学んだのです。

特に腎臓や心臓といった臓器は、一度大きく損なわれると再生が難しいという特徴があります。透析が必要になるまで、あるいは心不全で倒れるまで放置してはいけない。些細なサインを見逃さず、生活習慣を整え、適切な治療を早期に開始する。この「予防医学」こそが、患者さんの人生の質(QOL)を守る唯一の手段だと確信しました。

副院長中西雄亮

「心臓」と「腎臓」の連携で、街の健康を守る

—— だからこそ、当院では循環器と泌尿器・腎臓の二つの視点を大切にされているのですね。

その通りです。私が経験したメニエール病もそうですが、身体の不調は複雑に絡み合っています。特に心臓と腎臓は「心腎連関」と言われるほど密接で、片方の悪化がもう片方の致命的なダメージを招きます。

当院では、私が専門とする腎・泌尿器の視点と、循環器専門医の視点を掛け合わせることで、病気の「芽」を早い段階で摘み取る体制を整えています。単に薬を出すだけでなく、患者さんの生活背景に寄り添い、共に健康を維持していく。それは、父が背中で見せてくれた「誠実な医療」の一つの形だと思っています。

尿漏れ対策の骨盤トレーニングマシーンを導入

—— クリニックに特徴的な機械を教えて下さい

骨盤底筋トレーニング機械であるBIJIRISを導入しました。自費治療となりますので、大きい病院では導入していない機械になりますが、尿漏れになやんでいるかたは数多くいらっしゃいます。
小さいクリニックだからできる受診のしやすさをいかして、生活の質をあげるような機器を充実させたいと思っています。

地域の皆様へ:健やかな「明日」のために

—— 最後に、地域の方々へメッセージをお願いします。

かつての私のように、頑張りすぎてしまう方ほど、自分の身体の声を後回しにしがちです。「なんとなく調子が悪い」「健康診断の結果が少し気になる」といった段階で、気軽にご相談ください。

大きな病気になる前に、私たちがブレーキをかけるお手伝いをします。この街で皆さんが、10年後、20年後も自分らしく元気に過ごせるように。誠実な対話と専門的な知見を持って、日々の健康を支え続けていきたいと考えています。